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宇宙飛行士によって宇宙ステーションの細菌叢が変化することが明らかに (2/2)

2020.05.18 Monday

前ページ宇宙で起こる細菌叢の変化

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宇宙ステーションに住む細菌たち

今回の研究者たちが注目したのは、宇宙飛行士の細菌叢だけではなく、宇宙ステーションに居着いている細菌たちがどうなっているか? ということでした。

無菌に近い宇宙ステーションでは、逆に宇宙飛行士たちの影響を受けてステーション内の細菌叢が変化するのではないか、と考えたのです。

実際これは、想像以上にはっきりとした変化を与えるものでした。

研究者たちは、宇宙ステーションの壁や床から採取した細菌の痕跡を見れば、どの宇宙飛行士が宇宙ステーションに滞在したか判別できるほどだといいます。

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Credit:depositphotos

研究チームは、ミッション前、ミッション中、ミッション後の宇宙飛行士の口、鼻、耳、皮膚、唾液から綿棒でサンプルを採取し、また宇宙ステーションの8つのポイントから、同様に細菌のサンプルを採取して、それらを分析しました。

すると両者の細菌には一致するパターンが見つかったのです。

さらに研究チームはショットガン・シーケンシング法という長いゲノムを分析する手法を使って、細菌サンプルのDNA分析を行いました。

この方法では、細菌の全ゲノム情報を解析して、どんな菌がどれくらい存在するかや、どのような遺伝子をどれくらい持つかということが分析できます。

その結果、宇宙飛行士の細菌叢と宇宙ステーションの細菌叢では、55%が一致していたというのです。これは特に飛行士の皮膚サンプルとよく一致していました。

宇宙ステーションの最近は、そこで過ごす宇宙飛行士の細菌叢に大きく影響され、それは宇宙飛行士が地球へ帰還した後も最大で4カ月持続するとわかったのです。

現在のところ、これは一人の宇宙飛行士を対象に行った研究ですが、非常に興味深い結果を示しています。

将来宇宙で犯罪が起こった場合は、指紋の代わりに細菌で犯人が特定される…なんてことも起こってしまうかもしれませんね。

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Credit:depositphotos

この研究は、米国ローレンス・リバモア国立研究所とNASAの研究チームの共同で発表され、科学と医学分野の一次研究論文を扱うオープンアクセスの査読付き学術雑誌『PLOS One』に4月29日付けで掲載されています。

宇宙滞在で遺伝子が変化!?双子のDNAと別物になってしまった宇宙飛行士

reference: sciencealert/ written by KAIN

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