新型コロナウイルスの拡大に伴い、家で過ごす時間が増え、絵画やプラモデル製作など塗料を扱う趣味を楽しむ人が多くなっています。
そんな中、ネット上では11年前に発見された「新しい青」が再び注目されているようです。
2009年、オレゴン州立大学の材料科学教授サブラマニアン氏らがその新しい青を偶然発見しました。
新しい青は、電気と磁気を両方帯びたマルチフェロイック物質を作る際に、たまたま出来たもので、「インミンブルー(YInMnBleu)」と呼ばれています。
インミンブルーは独特の明るい青色で、まるで光り輝いているような発色をします。
ちなみに、青は人間の手で作るのが難しい色とされており、宝石ラピスラズリから作られる「ウルトラマリン」は金よりも高価なことで有名です。
しかしインミンブルーは日本でも通販で購入できるため、今再び注目が集まっています。インミンブルーが「特別な青たる」理由は、いったい何なのでしょうか?
顔料で化学する。名前の由来は元素記号!?
インミンブルーという名前は、研究者らがマンガンに他の素材を混ぜて加熱したことに由来していて、構成元素であるイットリウム(Yttrium)、インジウム(Indium)、マンガン(Manganese)の元素名から取りました。
材料はそれぞれイットリウムが白、インジウムが黒、マンガンが黄色い粉末だったため、加熱後に美しい青色ができることを誰も予想できていなかったようです。