今週水曜日、トルコ北部の上空に「火の玉」が出現しました。
SNS上に投稿された映像には、猛スピードで落下する火の玉が空中で激しく発火する様子が捉えられています。
トルコのニュースサイト「デイリー・サバー(Daily Sabah)」は「現地時間20時30分に、複数の州で火の玉の爆発が目撃された」と報じました。
トルコ上空で爆発
こちらは、ある女性が偶然に撮影した火の玉の映像です。
??Bu akşam saat 20.30 civarı Trabzon, Artvin, Rize, Ardahan, Erzurum, Muş başta olmak üzere birçok ilde görülen #meteor ‘un şu ana kadar çekilen en net görüntüsü pic.twitter.com/gbzHqgSitP
— Corona Güncel (@Coronabilgi) May 27, 2020
夜空の月を撮影していた次の瞬間、画面左手から火の玉が勢いよく落下してきました。女性も思わず驚きの声を漏らしています。
以下は、デイリー・サバーが投稿した別角度からの落下映像です。
Footage shows a supposed meteorite falling from the night sky, witnessed by people in northern Turkey.pic.twitter.com/Ps1LVsbEOO
— DAILY SABAH (@DailySabah) May 27, 2020
火の玉は、かなり高度で爆発したことがうかがえます。
映像を見た気象学者は「地球の大気圏に突入した隕石の動きに限りなく近い」と指摘。大気圏に突入した隕石の多くが、地上に達する前に上空で爆発することがその理由です。
隕石は、1日に数百万も地球に衝突していると言われますが、大気圏が門番となっているため、めったに地上には達しません。また、砂粒〜小石ほどのサイズがほとんどなので、燃え尽きる様子すら目には見えないのです。
しかし時々、大気圏を乗り越える隕石がやってきて、上空で爆発することがあります。トルコ上空に現れたものも、そのひとつでしょう。
A meteorite was seen over the skies of Turkey at approx 20:30 local time! ☄?
pic.twitter.com/IFd4HQQpTB— Faytuks News ? (@Faytuks) May 27, 2020
NASAのデータベースによると、これと同じような火の玉は、1988年以来、計822個が公式に確認されています。年間平均は25個で、落下場所はランダムです。地球表面の7割は海なので、ほとんどの火の玉は海上で爆発します。
隕石が上空で爆発する理由は分かっていませんが、専門家の多くは「気圧が関係している」と考えます。
隕石が落下するにつれて、各地点の気圧は高くなります。それが原因で、隕石の小さな穴から空気が漏れ出し、岩石内部の圧力が上昇。その結果、地面に到達する前に空中で破裂してしまうというわけです。
トルコに降ってきた火の玉の正体は目下調査中とのことですが、おそらく隕石で間違いないでしょう。