- これまででもっとも古い寄生虫の化石が発見された
- 年代はおよそ5億1500万年前でカンブリア大爆発の時期
- 腕足動物の殻に寄生したワームで、宿主の餌を横取りしていた
寄生虫は現代ではありふれた存在ですが、この不思議な嫌生物は一体いつから存在しているのでしょうか?
古生物学の研究では、寄生という関係性を見出すことが困難なために、この寄生虫の発見や進化の様子は、思ったよりも進んでいません。
1500万年前の琥珀からマダニが見つかったり、羽毛恐竜の化石からシラミの痕跡が見つかるなど、現代にも生息している寄生虫が発見されることはありますが、古代にだけ存在した寄生虫は発見がかなり難しいのです。
そんな中、今回ははっきりと寄生虫と断定できる化石が発見されました。それはなんと5億年以上前のものです。
これは今まで発見された中でも最古の寄生虫です。一体、5億年前にはどんな寄生虫がいたのでしょうか。
やっかいな寄生虫の特定
寄生とは一般的に、ある生物が宿主となる別の生物を利用することで「栄養などを収奪して生命を維持する継続的な関係」と定義されています。
ここには共生も含まれています。共生とは寄生の一形態です。
共生と呼んだ場合、これはポジティブなパートナーシップを指していて、例えばサンゴ礁の形成にはサンゴポリプと微細藻類の関係が両方の生物に利益をもたらしています。
一方、寄生の場合は、常に利益を得るのは寄生虫側であり、宿主は害を受け続けます。
どちらにせよ、重要なのは生物間の持続的な関係性の存在です。
しかし、生命進化を研究しようとする場合、多くの情報は化石の記録を探ることになります。
化石は生物学的な変化や進化の歴史について豊富な証拠を有していますが、残念ながら生物感の相互作用に関する証拠はなかなか保存されません。
化石から、寄生虫が宿主を利用していたという証明を行うことは、非常に難しくやっかいな作業なのです。