- 調査研究の結果、米国の若い男性が性行為をしない割合は、過去20年間で増加していることがわかった
- パートナーがいる場合でも、性行為の頻度が過去に比べて低下している傾向が見られる
- スマホやSNSの普及や、低収入の男性の増加などが考えられるが、すべてを説明することはできない
「若者のセックス離れ」という話題は、日本固有の問題のように考えている人もいるかも知れませんが、これは世界的な傾向になっています。
米国で行われた調査では、過去20年間で性行為を1年以上まったく行わない人の割合が増加しているという結果が示されています。
これは「相手がいないからできません」というだけの問題ではなく、パートナーがいる人達でも、頻度が低下していることが示されています。
数年前には米国の若者は恋愛アプリの充実で、刹那的な肉体関係を結ぶ「フックアップ・カルチャー(一夜限りの出会い)」が増加している、と問題にされていたのですが、それは単なる思い込みだったようです。
新しい調査結果は、そうした話題を一掃してしまいました。
現代の若者は、一夜限りの出会いを求めるどころか、性行為に魅力を感じない人、億劫に感じる人たちの割合が増加しているようなのです。
どうしてそんな風になってしまったのでしょう? みんな一つになりたくないのでしょうか? そんな疑問に科学者たちは大真面目に取り組んでいます。
約20年に及ぶ性行為の調査結果
今回の研究では、全米を対象に行われた2000年から2018年の間の調査データが分析されました。
それによると、18歳から24歳までの男性の内、性行為をまったく行わない(性的不活動な)人の割合が19%から31%に増加していました。
この研究でいう性的不活動とは、1年以上まったく性行為を行わない状態と定義されています。
25歳から34歳の人では、性的不活動の人は、男女ともに2倍(7%から14%程度)に増加しています。
また、性行為を行っていると答えた人たちも、その頻度は低下していました。
毎週性行為を行うと答えた人の割合は、全年齢で2000-2002年の60.4%から2016-2018年の46.7%に減少していたのです。
社会人口別に見た場合、収入の高い男性ほど性的活動は高く、低収入や無職の男性、また学生は性的に活動的ではない傾向が見られました。
女性の場合、学生の間は性的不活動の傾向が高くなりましたが、雇用状態や所得レベルでは優位な関連は見られませんでした。
また、ポルノコンテンツの利用は、男女ともに、性的不活動の低下と優位な関連を示しました。
性的不活動は25歳から34歳の男女の間で増加していて、特に男性の場合は主に未婚の場合に増加傾向を見せました。