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食べられるロボットが開発される。 ボディは”ゼラチン”でできている? (2/2)

2020.06.27 Saturday

前ページ食用可能!廃棄すると自然に分解されるバイオゲル

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自然に近いゼラチンロボット

環境に理想的なバイオゲルが完成したため、研究者たちはこのゲルを使ったゼラチンロボットを試作しました。

作られたロボットは象の鼻を模倣したものであり、実物と同じように柔軟に動きます。

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食用可能だが、柔軟性と弾性を備えており頑丈/Credit:Martin Kaltenbrunner

そして、330,000サイクルを超えるノンストップモーションによる耐久テストを行なった結果、乾燥やひび割れすることなくクリアできました。

また、ロボットとして機能させるために制御センサーと圧力センサーを追加し、象の鼻を自在に操り物体を掴めるようにもしました。

さて、ゼラチンロボットとバイオゲルは研究途上にありますが、「食べても安全」というメリットはすぐにでも活用可能でしょう。

「赤ちゃんや子供がおもちゃを飲み込んでしまう」というトラブルはどうしても生じ得るものです。ですから、子供向けおもちゃをバイオゲルで作成することには大きなメリットがあるのです。

また、獲物や食物に模したゼラチンロボットは、動物の薬投与に役立ちます。

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Credit:depositphotos

もちろん、今後の応用にも大きな期待が持てます。

無害なゼラチンロボットなら、農作業の収穫や動物の研究を安心して任せることができます。

また、廃棄されても人体や自然に害を与えないので、医療や危険な環境での作業において回収不要なロボットとして機能するかもしれません。

さらに長期的な目線で考えるなら、この研究はより生物に近いロボットの開発に寄与することでしょう。

生物や自然にとって異物ではないロボット。もはやそれはロボットの域を超えているかもしれませんね。

この研究は6月15日、「Nature Materials」に掲載されました。

Resilient yet entirely degradable gelatin-based biogels for soft robots and electronics
https://www.nature.com/articles/s41563-020-0699-3

「第3の腕」として使えるロボットアームが開発中! 壁もぶち抜く破壊力がスゴイ

reference: newscientist / written by ナゾロジー編集部
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