彗星ってどんな天体?
ネオワイズ彗星の観測をより楽しむために、彗星の知識を深めてはいかがでしょうか。
彗星は、本体の大きさが数キロメートルから数十キロメートルほどの小さな天体です。
細長い楕円形の公転軌道を描きながら地球のように太陽の周りをまわり、一定の周期ごとに回帰するものと、放物線や双曲線の公転軌道を描き、太陽に近づくのは1回のみで2度と戻ってこないものがあります。
前者は約76年ごとにやってくる、ハレー彗星が有名ですよね。
そして、海王星の外側にある、惑星になりきれなかった微惑星が円盤状に広がる「エッジワース・カイパーベルト」と、太陽から約1光年のところを球状に取り囲むとされる、氷の小天体が多い領域「オールトの雲」が彗星の故郷と言われています。
ネオワイズ彗星の場合は、放物線軌道に極めて近い潰れた楕円軌道で太陽の周りを公転していて、「オールトの雲」からやってきたとされています。
次回太陽の近くに来るのは6000年以上先、8786年頃と考えられていますよ。
また、彗星の成分は8割が氷の状態の水で、そのほか二酸化炭素や一酸化炭素といったガスと微量のチリでできています。
よって、太陽に近づくと熱で表面が少しずつ溶けて、水分が蒸発するとともにガスとチリが放出されます。
このとき、淡く輝くように見えるため、彗星が太陽にもっとも近づいたときが明るく見える観測チャンスとなります。
でも、地球に近づいたときが物理的に距離が近くなるため、結果的に見えやすかったなんてこともあります。
ほかにも、彗星のサイズや成分の違いなども影響するので、地球からの彗星の見え方は予測が難しいのだそうです。