扇子を更に半分にしたような折り畳み構造だった
解明された構造を元にした再現動画を見ると、基本的には扇子のような山折りと谷折りが交互になった構造であると分かります。
折り畳まれた扇子は、更に半分に折り畳まれています。
この折り畳み構造は、極めてシンプルな幾何学的ルールによって成り立っていることも分かりました。そのため、このルールを用いて折り畳み図形を作図することも可能です。
作図が可能になったので、折り紙によってハサミムシの羽を再現することもできます。加えて、ルールを応用した革新的な展開構造を開発できるかもしれません。
例えば、人工衛星用太陽電池パネルなどの宇宙展開構造や建造物、また傘や扇子などの日用品にまで応用できることでしょう。
現在、研究チームは設計プロセスを自動化するソフトウェアを開発しているとのこと。
さらに、この折り畳み・展開の原理は、およそ2億8000万年前のハサミムシの近縁種と考えられる昆虫の化石にも適用可能だとされており、太古の昆虫と現代の昆虫の関係性を深めるものとなりました。
この共通点は、ハサミムシの展開構造が長年採用され続けてきたことを示しており、非常に優れた構造であることの証明となっています。
今回、研究者たちによってハサミムシの展開構造が解明されました。今後、これらを活用したコンパクトで瞬時に展開する「究極の扇子」などが誕生するかもしれませんね。
この研究は7月13日、「PNAS」に掲載されました。
Earwig fan designing: Biomimetic and evolutionary biology applications
https://www.pnas.org/content/early/2020/07/09/2005769117
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