ロシア・南ウラル国立大学らの研究により、カザフスタンの墳墓にて、青銅器時代の馬の遺骨が発見されました。
馬はオス(20歳)とメス(18歳)のつがいで埋葬されており、近くには馬具と思われる遺物も出土しています。
頭蓋骨には、馬具の装着で変形した跡が見られ、中央アジアにおける乗馬の始まりをこれまでの説より数世紀ほど遡るかもしれません。
調査には、カザフスタンとアメリカの研究チームも参加しました。
中央アジアでの乗馬は「BC1600年頃」に始まった?
馬の遺骨が見つかったのは、カザフスタン北部・コスタナイ地方の町リサコフスクにある墳墓です。
この墳墓は、BC2300〜1000年頃の青銅器時代に、中央アジア〜シベリア南部で栄えた「アンドロノヴォ文化」に属します。
馬の遺骨の炭素年代測定を行った結果、生息年代はBC1600年頃まで遡ることが判明しています。従来の説では、中央アジアでの乗馬が始まったのは、おおよそBC900年頃とされていました。
馬の頭蓋骨を調べると、馬具装着の痕跡が見つかったことから、人々は、定説より数世紀前に乗馬を習得していたと考えられます。
乗馬を普及させるのは、決して簡単ではありません。
馬に乗る前に、まず野生の馬を人に慣れさせ、飼育が容易になってからようやく乗馬へと移行します。
アンドロノヴォ文化では、騎馬や戦車のけん引馬といった軍事面にも活用していたことから、馬との接触はもっと以前に遡るかもしれません。