ニュージーランド・オタゴ大学により、同国南部の沿岸地域に生息するコンブから、約800年前の大地震の痕跡が発見されました。
これはコンブの遺伝子分析から判明した事実であり、DNAの中に「地震による地殻変動」と「生態系の変化」の過去が隠されていたようです。
さらに、この結果には、コンブ界にあまねく広がる厳しい掟が関係していました。
コンブ界の掟、「陣地は絶対死守!」
コンブは、意外にも縄張り意識の強い生物で、他のグループがやってくると攻撃的になります。
そのため、あるグループが一度定着すると、他のグループは侵入も移住もできなくなり、長い期間にわたって同じグループが同じ場所を受け継ぐのです。
これは裏を返せば、コンブの遺伝子を調べることで、かなり昔の生態系についてうかがい知れるということです。研究チームはこの特性を用いて、約800年前に起こった大地震との関連性について調べました。
チームは、ニュージーランド南島の町ダニーデン付近の沿岸部、約100キロにわたり大量のコンブを採取して、遺伝子分析を行ないました。コンブの見た目は、ほとんど見分けがつきません。
ところが、DNA分析の結果、遺伝子の異なるコンブのグループが、約24キロにわたって存在したのです。