みかけ上の超光速運動に対応
光は通常、飛行中にはみえません。
SFではレーザー光が空間を飛んでいく様子がよく描写されますが、現実で見えるとしたら、それは私たちの目にレーザー光が命中しているときだけです。
ですが現在の科学技術を用いれば、光を見ることが可能になります。
レーザーが空気中の粒子にあたって散乱を起こす様子を撮影できれば、レーザーを直接目に受けなくても光の軌跡をたどれるのです。
しかしこれまで開発されたどの超光速カメラを用いても、光の軌跡をリアルタイムで撮影することはできませんでした。
特定の瞬間の光をとらえることができても、連続した映像として捕えることは困難だったのです。
ですが今回、スイスの研究者たちにより、ついに光の軌跡の全体像が判明しました。
彼らは散乱した光がカメラに到着する時間と、撮影される平面画像において光がどの深さにあるかを正確に測定しました。
そした、機械学習を用いてフレームごとの光の画像を並べ替えることで、光の軌跡の全体像を再構築することができたのです。