「水うがいが効果的」で「うがい薬は効果的でない」理由
水うがいがカゼ予防に効果的だったのはなぜでしょうか?
川村氏はそのメカニズムについて「カゼのウイルスが水で洗い流されたのではない」と述べています。カゼのウイルスはのどの細胞のレセプターに付着して素早く細胞内へ入ってしまうため、1日2、3回のうがいで除去されるとは考えにくいとのこと。
ですから水うがいは、ウイルスの感染を助けるタンパク質「プロテアーゼ」を除去することで効果を発揮していると考えられます。
プロテアーゼは一種の酵素であり、口の中に入ってきた細菌が作り出すこともあれば、空気中の埃の中にも存在します。これを水うがいは洗い流しているのです。
では、うがい薬が効果的でなかった理由は何でしょうか?
川村氏は「うがい薬が口の中の常在細菌叢(じょうざいさいきんそう)をも除去してしまうから」だと予想しています。
非常に強力なヨード液は、ウイルスだけでなく口内の秩序を保っている細菌までも殺してしまうので、これにより口内やのどは丸裸になってしまうのです。
ただしこれらは推測であって、川村氏の研究は「うがい薬がカゼ予防に効果が無い」との結果を出しただけです。そのメカニズムが明らかになったわけではありません。