- 衛星画像から南極の奥地に、8つの完全に新しいコウテイペンギンのコロニーが発見された
- 地上でも3つの新たなコロニーが発見されており、推定されるコウテイペンギンの数は10%程度増加した
- とはいってもコウテイペンギンの絶滅危惧は解消されない
南極のペンギンたちは氷の上にコロニーを作ってそこで繁殖を行います。
これは毎年決まった場所に形成されるため、ペンギンのコロニーは宇宙から見てもわかるほどのペンギンたちの糞の跡が付きます。
ちょっと汚い感じもしますが、これによって衛星画像からペンギンたちのコロニーの位置を推定することができるのです。
そして新たな研究は、南極大陸の衛星画像から人間では近づくことが困難な場所に、コウテイペンギンの新しいコロニーを8つも発見したと報告しています。
地上でも3つのコロニーが新たに発見されており、計11の新しいコロニーが確認されたことになります。
コウテイペンギンのコロニーはこれまで50近く発見されており、今回の発見で既存のコロニーの数は20%も増加しました。
この発見でコウテイペンギンの総個体数の推定は5~10%増加することになるようです。
コウテイペンギンは絶滅危惧種にしていされており、これは一見明るいニュースのようにも聞こえます。
しかし、実際のところ状況は違ったようです。
衛星で探すペンギンのコロニー
南極は過酷な環境のため、人間でも近づくことが難しい場所が数多く存在します。
コウテイペンギンのコロニーは、絶滅に瀕している彼らの状況を理解するためにも重要ですが、実際すべてのコロニーを地上から発見できるわけではありません。
そこで活躍するのが衛星写真です。
ペンギンたちは繁殖の時期になると決まった場所で身を寄せ合いますが、それによって真っ白な南極の大地に、宇宙からでも見えるくらい糞の染みができるのです。
今回、こうした糞の汚れによるコロニーの痕跡が、衛星画像から計11発見されました。
もちろん糞の跡があったからと言って、これらすべての場所がペンギンが繁殖地だと断言できるわけではありません。しかし、こうした場所は数年に渡って持続しており、繁殖地の可能性はかなり高いと言えるのです。