最近の遺伝子研究が明らかにしたこと

ところが最近の研究では左利きに関連する要素がいくつか明らかになってきました。
例えば、2019年の40万人を対象にした研究では、初めて利き手に関連する4つの遺伝子領域が判明しています。
そのうちの3つの領域は脳の構造と発達に関与するタンパク質とリンクしていました。この結果は、脳と利き手に関連があるという説を補強するものとなるでしょう。
しかし、他の研究では利き手の決定に影響を与える遺伝子がおそらく数十個あると報告されています。
またさらに別の研究ではエストロゲン(女性ホルモン)のレベルや出産姿勢などの要因も関係しているとの報告が上がっています。
このような複数の新発見は、左利きに関して何を明らかにしているのでしょうか?
それは、これまでに考慮されてきた以上に、左利きの要因が複雑だということです。
研究者たちは発見した数々の要素が互いにどのように結びついているのか把握するのに苦労しています。
現段階で左利きが10%である理由ははっきりと分かっていません。しかし科学者たちの努力により、遺伝的要因が関係していることや、それに影響を与えている複数の分野が発見されました。
身近な話題にもかかわらず、未だに判然としない左利きの要因。しかし確実に進展している分野ですから、今後の研究にも期待できるでしょう。