
- 人間は非対称な存在だが、左利きが10%しかいない理由は未だ明らかになっていない
- 左利きになる要因には多くの説があり、数々の研究が行われてきた
- 2019年には利き手に関連する遺伝子領域が発見される
多くの人は生まれながらに右利きであり、左利きの人は全体の10%に過ぎません。
実はこの割合は世界全体で一定で、地球のどこを見ても10人に1人が左利きです。そのため左利きの出生には生活環境よりも、なんらかの遺伝的要素が関係していると考えられます。
現在でも、科学者たちは左利きが10%しかいない理由を完全には説明できません。しかしこれまでの研究で明らかになったこともいくつかあり、1歩ずつ解明へと近づいています。
人間は非対称である

私たちの体には至る所に非対称性が認められます。スポーツでボールを扱う時なども、人は片方の足で蹴り、また片方の手で投げます。
また正確な距離を測りたい時には片方の目をつぶる傾向があります。同様に電話に出たり、閉まったドアの向こうの話し声を聞こうとするときには両耳ではなく片方の耳を使おうとするでしょう。
ですから「手の使用率が片方に偏る」つまり「利き手がある」のは生物学的にも自然なことです。
しかし、これだけでは利き手が右に偏っている理由を説明できません。そのためこれまで多くの科学者たちが、右利きが多く左利きが少ない理由を研究してきました。