「数覚」を発達させる勉強法
小平は、「数覚」が鋭いだけでなく、相当な努力もしています。例えば、数学の本を読むときは、以下のような手順で読んでいたようです。
①定理を読み、まずは証明を自力で考える。
②たいてい自力では証明できないので、本に書かれた証明を読む。
③一度や二度読むだけではわかった気にならないので、証明をノートに写して考える。
④より良い別の証明方法を考える。
⑤一つの章の終わりまで到達したら、章の最初から復習する。
⑥章全体の排列を自分なりに考え直し、章全体をまとめ直したノートをつくる。
ただ本を読むのではなく、「自分で本を作り直してしまう」ような作業。一冊読むだけでも莫大な時間がかかったのだそうです。そして、エッセイには、こんなことも書いています。
「数学を習得するには、毎日長い時間をかけて繰返し練習することが必要であると思う。これによって数学的事実を把握する感覚が発達するのである。」
(「怠け数学者の記」より)
「これだけストイックに努力していれば、数学ができるようになるのは納得!」な小平の勉強法。試してみる価値はあるかもしれません。なぜならば、私たちには誰にでも「数覚」が備わっているのですから。
記事内容に一部表記を、修正して再送しております。