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ケプラーが400年前に見つけた超新星爆発の「破片」は、未だに”減速せずに”宇宙を飛んでいる

2020.08.23 Sunday

今から約400年前の1604年、天文学者ヨハネス・ケプラーがへびつかい座の方角に超新星を発見しました。

距離は地球から2万光年程度で、同じ天の川銀河の中で起きたものでした。

これは比較的最近の超新星で、しかも肉眼でも観測が可能なほど近かったことから現代でも詳細な調査が続けられています。

新たな研究は、この超新星で吹き飛ばされた星の残骸の塊を15個特定し10年上に渡って追跡しました。

その結果、発生から400年以上が過ぎているというのにその爆風が今もまったく減速していないという事実を突き止めたのです。

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ケプラー超新星の残骸。/Credit: NASA

ケプラーが見た超新星は天の川銀河内で観測された最後のものだった

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超新星爆発のアーティストイメージ。/Credit:NASA/ CXC/ M.Weiss

「SN 1604」、通称ケプラー超新星は天の川銀河系内で観測された最後の超新星爆発であり、約2万光年という近距離でもあったため、ケプラーをはじめ当時の天文学者達にも観測されていました。

その記録によれば18カ月にも渡って肉眼で見えるほど明るく輝き、絶頂期は-3等級という夜空のどの恒星よりも明るく輝いていたといいます。

この超新星は現代でも貴重な観測対象で、ハッブル宇宙望遠鏡をはじめ、チャンドラX線観測衛星、スピッツァー宇宙望遠鏡など、数多くの望遠鏡も向けられその残骸が撮影されました。

そして、チャンドラX線観測衛星は、この超新星の残骸を15個発見しました。

それは破片の塊となって移動しており、X線波長で輝いていたとのこと。

さらにこれを追跡したところ、最速の塊は時速8700キロメートルという凄まじい速度で移動していることがわかったのです。

これは地球の大気中を進む音速で換算した場合、実に25000倍以上もの速度でした。

次ページ勢いが減速するはずの「Ⅰa型超新星」だった

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