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ケプラーが400年前に見つけた超新星爆発の「破片」は、未だに”減速せずに”宇宙を飛んでいる (2/3)

2020.08.23 Sunday

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勢いが減速するはずの「Ⅰa型超新星」だった

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Ⅰa型超新星のイメージイラスト。/Credit:ESA/ATG medialab/C. Carreau

ケプラー超新星で見つかった残骸の移動速度は、遠い別の銀河などで発見された超新星の発生直後の物質の移動速度とほとんど変わっていないように思われました。

宇宙は真空なのだから、別に速度が変わらないのは当たり前じゃない? と考える人もいるかもしれません。

しかし、ケプラー超新星はⅠa型超新星(いちえーがたちょうしんせい)だったと考えられています。

Ⅰa型超新星とは、連星の白色矮星が伴星から物質を吸い上げて肥大化し、チャンドラセカール限界(星の質量限界)を超えて起こす超新星爆発を言います。

この超新星では、伴星の物質を巻き上げていきますが、すべての物質が白色矮星に膠着するわけではありません。多くの物質は星を取り巻くように、厚いガス雲となって宇宙空間に残ります。

そのため、超新星の勢いはこのガス雲にぶつかって大きく減速するだろうと予想されるのです。

次ページなぜ減速しないのか?

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