可視化された飛沫拡散
この実験では、緑色のレーザーを用いて蒸気の飛沫を可視化させて確認するという方法が用いられました。
これはライブ会場で使われる視覚効果に近い方法です。
フェイスシールドをした場合の咳シミュレーションでは、最初飛沫はシールドにぶつかり地面の方へと流されていきます。これで拡散は防止されたかのように見えます。
しかし小さな飛沫は空間に浮かんだまま留まり、横方向へと広がっていったのです。
最終的に飛沫は正面方向へ0.9メートルも広がっていきました。また場合によっては飛沫は正面だけでなくマネキンの後方へも回り込んで広がっていくパターンも見られました。
呼吸弁の付いたマスクでも、地面の方へと飛沫は排出されていますが、やはり小さな飛沫は空中に留まり周囲へ広く拡散していく様子が確認されたそうです。
また研究者は外科用に使用される異なるブランドの布製マスクでも同様のテストをしました。
あるブランドのマスクは前方への飛沫拡散を止める効果があったのに対して、大量の飛沫がマスクから漏れてしまうブランドもあったとのこと。
このことから研究者は、フェイスシールドや呼吸弁付きマスクが飛沫の拡散予防に有効でないこと、また通常の布製マスクでもメーカーによる製造や材料の違いにより、大きく効果が異なる可能性を指摘しています。