フェイスシールドや呼吸弁付きマスクは危険?
今回の研究で対象とされているのは、フェイスシールドや呼吸弁の付いたマスクの飛沫防止効果です。その他のマスクについてはこちらの記事も参考にしてください。
フェイスシールドは正面をカバーして、表情も相手に見えるという利点を持っていますが、見た通り下側は完全に開いています。
呼吸弁付きマスクは、主に建設作業などで粉塵を吸い込まないよう用いられるマスクですが、これは吸う場合は空気を濾過しますが、吐き出す息を濾過する効果は特にありません。
そのためこの2種のマスクについては、米国の疾病対策予防センター(略称: CDC)では布製マスクの代替品として推奨していません。
しかし、フェイスシールドはもはや日常風景の一部のように利用されており、海外の学校では生徒たちに着用されて授業を実施している例もあります。
フェイスシールドが警戒の対象にしているのは、唾による比較的大きな液滴の飛散です。
しかし実際に人が咳をした場合、飛沫はエアロゾル化して空間に広がり、人が密集した環境ではこの飛沫が蓄積されて感染症につながる恐れがあります。
そこで、今回の研究チームは水とグリセリンで作った蒸気を霧吹きのように吐き出す機械を作り、このポンプをマネキンの口に設置することで、咳のシミュレーションを行いました。