荷物を運ぶロボットたち
人間の姿を模したヒューマノイドロボットが荷物を運ぶ動画をネットで見かけることがあると思います。
ヒューマノイドロボットに求められていることは、人間と同じように作業をこなすことです。
そして特に頻繁に求められると予想される作業が、さまざまな形、大きさ、重さを持った荷物を移動させることでしょう。
しかし、「荷物に応じて適切に抱え、落としたり壊したりすることなく安全に運ぶ」ということは、実は非常に高度な判断を必要とします。
私たちも職場で「これ運んどいて」なんて頼まれることがありますが、そのときは荷物が軽いのか重いのか、ダンボールなのか書類の束なのか、などの条件を判断して運び方を考えるはずです。
この複雑なタスクをロボットに達成させるためには、まず荷物の物理的パラメータを特定し、次に荷物を持ち上げるための安全で安定した全身の運動軌道を生成する必要があります。
これをロボットに行わせるには、非常に多くの計算が必要になるのです。
人型ロボットは自由度が高いため、この計算をうまく設定できなければ動作が完了できなくなります。荷物が重すぎたり、重心が体から遠かったりすれば、当然荷物は運べないでしょう。