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geoscience

地球上で採水される「水の約半分が泥棒に盗まれていた」!?

2020.09.14 Monday

世界の多くの地域では水道設備が確立されており水の確保に困ることはありません。しかし別の地域ではそうではありません。水不足に悩まされていたり、水の窃盗が頻発していたりします。

オーストラリア・アデレード大学の天然資源経済学者アダム・ロッホ氏らの国際研究チームが8月24日『nature sustainability』誌に報告した研究によると、毎年地球上で供給されている水の30~50%が泥棒によって盗まれているというのです。

この報告では、今後訪れる世界的な水不足に備えるために貴重な水供給を保護しなければならないと警告しています。

weforum https://www.weforum.org/agenda/2020/09/global-water-theft-report-agriculture

水の窃盗とは?

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水の窃盗には様々な形態があります。

例えば、処理済みの飲料水の代金を支払うことなく使用することや、環境ガイドラインに違反して自然水源から水を奪うことが含まれます。

そして世界の水使用量の70%を占める農業従事者たちが、しばしば非難の的となってきました。一部の農業従事者たちが不当な仕方で大量の水を使用しているというのです。

これらを合計すると、毎年世界の水供給の半分が盗まれていることになります。

これまで水の窃盗は発展途上国で多いとされてきましたが、調査が不十分であるため、ロッホ氏ら研究チームは水の窃盗が行われている3つの事例を調査し、水窃盗の実態と原因を明確にしました。

その事例とは、カリフォルニアでのマリファナ栽培、スペインでのイチゴ栽培、オーストラリアでの綿花栽培です。

調査の結果、3つのケースは社会規範から地方制度まですべてが大きく異なっていましたが、いくつかの共通テーマが強調されていたのとこと。

次ページ利益優先が水窃盗に繋がる

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