意識は遅れて生じる
研究チームは、さまざまな実験によって「意識には遅れがある」ことを把握しており、意識の疑問を解決するのに役立つと考えました。
例えばある実験では、参加者にモニターを見てもらい黒い棒を映しました。そしてその棒を消した0.04秒後に同じ棒を映しました。その結果、参加者は2本ではなく「1本の棒を見た」と認識したのです。
また別の実験では、モニターに赤い円盤を0.04秒映し、続いて緑の円盤を0.04秒映しました。これに対し参加者は赤と緑の混合色である「黄色の円盤を1つ見た」と認識したのです。
さらに別の実験では触覚に対する意識の遅延も認められています。この実験では手首と肘を連続して触ると、参加者は腕を線でなぞられているように感じました。
これは脳が手首と肘から得られた信号をその都度意識しているのではなく、2つの信号が送られた後にそれらを合わせて解釈したことを示唆しています。
このような実験の結果は、意識の「遅延」と「信号をまとめて解釈する仕組み」を表しており、意識が継続的ではないと示しているのです。