継続的な意識と離散的な意識とは?
「意識の継続性と離散性」とはどのような状態を指すのでしょうか?
意識の無い状態は非常に理解しやすいものです。簡単に言うと、それは寝ている時と同じです。人はその時間を知覚しておらず、記憶もありません。
では、起きているときは絶えず意識があるのでしょうか?多くの人は直感的に「そうだ」と考えます。
確かに「いきなり気を失う」とか「次の瞬間、5分も時間が進んでいた」なんてことは健康な人ではありえないので、意識は継続的だと考えるでしょう。
しかし、もっと細かい時間で区切るとどうでしょうか?
例えば0.01秒の間意識が無かったとしても、それに気付く人はいません。その0.01秒の無意識状態が断続的に起こっていたとしても同様でしょう。
つまり「意識が継続的である」とは、「意識が絶えずONの状態」を指し、「意識が離散的である」とは、「意識が長いONと短いOFFを繰り返している状態」を指します。
こうした考えはかなり昔から議論されてきました。特に昔は「意識は継続的」だと考える学者が多かったようですが、現代では「離散的かもしれない」という意見が多くみられます。
確かに、単調で同じ作業を100万回行なうとき、そのすべてを全く同じ意識下で行なうことはないように思えます。慣れがどこかで無意識を与えているかもしれません。
しかし「意識が離散的」というのも非常に怖いものです。避けられない無意識の時間が定期的に訪れているなら、事故は多発し、それが避けられないもののように思えるでしょう。