1ドル補聴器を作成するバンラ氏
1ドル補聴器を作成するバンラ氏 / Credit:Georgia Institute of Technology
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材料費約100円の「激安補聴器」が登場、従来品との違いはどこに? (2/3)

2020.09.28 Monday

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従来の補聴器と1ドル補聴器は何が違うの?

大量生産時の材料費のみで1ドル。人件費や調整料金は含まれない
大量生産時の材料費のみで1ドル。人件費や調整料金は含まれない / Credit:Georgia Institute of Technology

10万円以上する従来の補聴器と、開発された約100円の補聴器の違いは何でしょうか?

まず補聴器自体の性能が大きく異なります。

1ドル補聴器がマッチ箱サイズなのに対し、従来品は耳に収まるイヤホンサイズにまで縮小されています。

また1ドル補聴器は高齢者向けに一部の高音を大きくするだけですが、従来品は様々な難聴者に対応しています。ハウリングを抑える機能や音の方向を捉える機能も搭載されているでしょう。

加えて、従来の補聴器料金には「本体価格」に加えて「調整技術料」が含まれています。

人の聴覚は非常に繊細であり、時間による変化も絶えず生じます。従来の補聴器には「人の複雑さ」に対応できるような「複雑な機能」が備わっており、専門家の個々に合わせた調整があってこそ真価を発揮するのです。

補聴器から生じるノイズは、それが稀であっても装着者に大きなストレスを与えるでしょう。ですから使用環境や個人差に合わせた調整こそが「従来の補聴器のポイント」なのです。

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