風船構造モビリティ「poimo」
従来のパーソナルモビリティは移動手段として便利ですが、そのほとんどにパイプや板などの剛性構造が採用されています。
そのため折り畳んだとしても収納性が悪く、衝突時の安全性が懸念されてきました。
そこで新山氏らは現在ロボティクス分野で活用されている「インフレータブル構造(空気圧で支えられた風船のような膜構造)」に注目し、パーソナルモビリティへ適用したのです。
これによって開発された風船構造モビリティ「poimo」は車体から車輪までの多くの部分が風船構造になっています。
柔らかい素材なので乗り心地が良く、空気を抜くことでコンパクトに折り畳むことも可能。また非常に軽いので持ち運びも便利です。
通常、モビリティの車輪やステアリングには高い強度が要求されるため、硬質な素材が利用されます。
ところが研究チームは「ドロップステッチファブリック」と呼ばれる特殊な布地を採用することで、高い強度を維持することに成功。これにより人間の体重を十分支えられる風船構造の車輪やステアリングを作り上げたのです。
ちなみにドロップステッチファブリックとは、2枚の布を多数の糸で繋げて強度を高めた立体的な布地であり、樹脂でコーティングされているため空気や水を通しません。