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ノーベル賞受賞者の”基本に立ち返る考え方”とは?数学のテストが苦手だった少年が「ブラックホールを証明する」科学者になれる

2020.10.10 Saturday

10月6日に、ロジャー・ペンローズ氏を含む3人が、ブラックホールに対する研究業績を認められ、ノーベル賞を受賞しました。

ペンローズ氏はアインシュタインさえ存在を確信できなかったブラックホールを、はじめて数学的に証明した1人です。

他にもペンローズ氏はブラックホールからエネルギーを取り出す「ペンローズ過程」など数多くの業績を上げてきました。

また数学を元に、いくら昇っても元の場所に戻ってきてしまうという不思議な錯覚を考案したのもペンローズ氏であり、この錯覚には彼の名を冠して「ペンローズの階段」と呼ばれています。

さらに! 実はナゾロジーが使用している三角形のロゴも「ペンローズの三角形」と呼ばれる錯覚を利用した作品をモデルにしているのです。

ナゾロジーロゴ
ナゾロジーロゴ / credit: ナゾロジー編集部

そんな数学の達人であるペンローズ氏ですが、意外なことに、学校の数学のテストは苦手だったのだとか。

いったいどうやって、劣等生だった子供が、ブラックホールの数学的証明に至ったのでしょうか?

数学のテストが苦手だった2人の天才児

「もしあなたが学校の数学で苦労しているなら、あなたは私の仲間です」

これはペンローズ氏が過去を改装するときに用いた言葉。子供の頃のペンローズ氏は、数学のテストにいつも悩まされていたそうです。

なぜならペンローズ氏はどんなに簡単な問題でも、第一原理(根本的な基本法則)からじっくり考え始めるために、テストの時間内に問題を解くことができなかったのです。

しかし当時の学校の先生は、この将来の天才数学者に足りないのはやる気や能力ではなく時間であると気付き、十分な時間を与えるように取り計らいました。

同じく数学において、教師から低能児だとレッテルを貼られたアインシュタインと比べると、ペンローズ氏は幸せな子供時代を過ごしたと言えるかもしれません。

しかし、20世紀を代表する偉大な物理学者と数学者が、共に数学のテストに悩まされていたというのは注目すべき事実でしょう。

数学が解けない子供でも偉大な学者になる可能性が秘められていたのです。

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