地震ハザードモデルの改善
地震のリスクを推定するハザードモデルは、断層の位置から時間経過に伴う地震活動まで、途方もない数のさまざまなデータや、観測地点の情報を使って構築されています。
しかし、それでも不確実性を拭うことはできません。今回の研究で調査されたPBRの情報は、そんなハザードモデルをより正確なものに微調整するために役立ちます。
研究ではこうしたデータを導入することで、地域の地震ハザード推定の不確実性が49%減少できたとしています。
地震の揺れを検出した地震計のデータは過去100年間ほどしか存在しないため、自然の中に残る情報から地震の履歴をたどる研究は非常に重要です。
ダムや原子力発電所などの、巨大地震にも耐える設計が求められる重要施設にとっても考慮されるべき情報を提供してくれるからです。
今回の研究には関与していませんが、米国地質調査所の地震学者のグレン・ビアシ氏も「この研究は、壊れやすい地質学的特徴を使って地震を調査する重要なケーススタディになるでしょう」と語っています。
ただ同氏は「表面露出年代測定」については、岩が不安定な形状になってからの年代であるかどうか確実なことが言えないため、これはまだ注意が必要な研究だということも指摘しています。
まだこの研究が確実な情報をもたらすものかはわかりませんが、たしかに不安定な岩が名所の地域は、地震のリスクが少なそうという気がします。