不確実性の高い地震リスク
大きな地震は非常に稀な出来事であり、そのリスクを推定しようとした場合、非常に不確実性の高い難しい問題になります。これの推定の精度を高めるためには、非常に古い時代までさかのぼった地震の情報が必要です。
そんな古い時代の地震の情報を得るために、研究チームはPBRを2つの段階で調査しました。
最初に行ったのは、宇宙線の暴露によって岩石内部で形成されたベリリウム原子の数を測定する「表面露出年代測定」です。これは岩の日焼け具合を見ているようなもので、「岩がどのくらいそこにあるのか」という期間を調べることができます。
そして、次に研究チームは岩の3Dモデリングシミュレーションを行い、転倒せずにこうした岩がどれだけの揺れに耐えることができるのかを計算しました。
こうした調査から明らかになったのは、PBRは以前考えられていた2倍近い長期間、その不思議な景観を維持できるということだったのです。
彼らの調査によると、古代の高マグニチュードの地震は、以前の推定より頻度が低く、1万年に1度と言われるような地震で引き起こされる揺れは、公式の推定より27%小さいと報告されています。
これは、現代の地震監視装置が機能する以前の知識のギャップを埋める助けとなり、地震リスクモデルを改善するための重要な情報の追加になります。
研究では、この方法によって最大100万年の地震活動について示すことができるとしています。