世界の危なそうな不安定岩石
今にも崩れそうな不安定なバランスの岩石。こうした奇岩は世界のあちこちで確認されています。
地質学者が使う公式用語では、こうした不安定な岩はPBR(英: Precariously Balanced Rocks)と呼ばれたりします。
日本の長崎県にも「継石坊主(つぎいしぼうず)」というものがあります。
この岩は別名「鯖くさらかし岩」と呼ばれていて、街へ鯖を売りに行こうとした漁師がこの岩の下に差し掛かったとき「きっとすぐに落ちてくるに違いないから、落ちるまで待とう」と待っていたら商品の鯖が腐ってしまったという、「まんが日本昔ばなし」でも紹介された古い逸話があります。
PBRが形成される理由は、周りの柔らかい岩が侵食されて硬い岩の部分が残った場合や、後退する氷河が岩を不安定な位置に残していった場合などあります。いずれにしても危ういバランスでありながら、昔話になるくらい長期間、状態が維持されているのです。
また実際はもっと古く、何万年も維持されている可能性さえあります。
今回の研究チームが着目したのは、そのバランスがこの地域で起きる地震の揺れの上限を与えてくれるのではないか? ということだったのです。