「人体自然発火」に見られる共通点
過去に報告された人体自然発火には、いくつかの共通点や傾向が見られます。
以下に、まとめてみました。
・犠牲者はアルコール中毒患者が大半
・事件の場所は自宅で、独り身の年配女性が多い
・手や足先は燃えずに残る
・発火した炎は、被害者の周囲の家具などにはほとんど燃え移らない
・燃えた後には、油っぽい匂いを放つ灰が残る
こうした特徴が顕著にあらわれた有名な事例が、1725年のフランスで起きています。
パリにある宿泊施設の主人が夜間に煙の匂いで目を覚ますと、隣の寝床で寝ていた妻のニコール・ミレーが灰になっていました。
あとに残ったのは、頭蓋骨と足の骨、背骨の一部のみでした。しかし、寝床のわらに火は燃え移っていなかったのです。
ミレー夫人は生前、深刻なアルコール中毒に悩まされていました。結局、主人は殺人罪で起訴され、有罪判決を受けたそうです。
こうした特徴から、科学者たちは可能性の高い原因をいくつか提唱しています。