働きアリの強さの秘密を解明!
そこで研究チームは、「羽のない働きアリ」と「羽を持つ女王アリ」を用いて、X線分析を行い、全身の解剖学的構造を高い解像度でスキャンしました。
スキャンデータをもとに、すべての筋肉部位をマッピングし、3Dで再構築しています。
こうして得られた胸部内側の全体像を、他種のアリや羽のない昆虫とも比較しました。
その結果、働きアリは羽に必要な筋肉を失くしたことで、胸部内の筋肉を増強、再編成していたことが判明しました。
特に3つの筋肉群の体積がはるかに拡張されており、それが強靭なパワーに繋がっていると見られます。また、首の筋肉にも変化があり、頭部を支えて自在に動かせるようになっていました。
同チームのクリスチャン・ピーターズ博士は「働きアリでは、胸部内のすべての筋肉が小さな空間に美しく再統合されていた」と述べています。
胸部内の筋肉は、頭や足、下腹の動きにも深く関係し、高い身体能力を実現するための重要な場所となっています。
同チームは次のステップとして、アゴや脚部についても同様の調査を行い、働きアリの能力をより詳しく解明する予定です。