見ているだけで面白いツノゼミの世界

ツノゼミはカメムシ目に属する昆虫のグループであり、世界に約600属3200種ほどが知られています。
ツノゼミの姿を初めて見る人は、そのユニークな形状に驚くことでしょう。
まるで枝が伸びたようなもの、トゲが生えたもの、さらには動物の角のような形をしているものまで、ツノゼミのツノは多種多様です。
このツノは「前胸」と呼ばれる部分が変化したもので、成虫の背中に突き出るように発達しています。
このツノの形はかなりバリエーションに富んでおり、世界中の研究者や昆虫愛好家の間で長年注目されてきました。
こちらが実際のツノゼミたちの姿です。

しかしツノゼミの形状があまりにも多種多様すぎるあまり、研究者たちは種ごとのツノを比較することが困難でした。
上の写真を見ても分かるように、AやFのツノは一目でわかったとしても、例えばAやFのツノはCでいうどこなのかがはっきりしないのです。
種ごとに共通する体の構造を見極めることは、その種がどのように進化してきたかを紐解く上でも欠かせません。
そこで研究チームは今回、「異なる種のツノのどの部分が共通しているのか(相同点)」を見つけようと考えました。