チェスの試合からの脳のパフォーマンスを分析する
研究チームは、ある1つの方法で脳のパフォーマンスと、ピークが訪れる時期を測定しようとしました。
その方法とは、「人間によるチェスの試合とコンピュータが提示する理想的な手を比較する」というもの。
チェスは代表的なボードゲームの1つであり、試合に勝つには思考力や経験をフル活用しなければならないでしょう。駒の動きを予測しつつ限られた時間で自身の戦略を決定または修正しなければいけないのです。
チェスの試合における一手一手が脳のパフォーマンスと関係あるのは言うまでもないかもしれません。
そしてチェス界では1997年にコンピュータ「ディープ・ブルー」が当時の世界チャンピオンであるガルリ・カスパロフ氏に勝利して以来、最強は人間ではなくコンピュータだとされています。
研究チームはこの背景に注目し、1890年以降のプロのチェスプレイヤーの2万4000以上の試合を分析することにしました。
そして、それらの160万を超える手とコンピュータによる「最適な手」を比較。
これにより、人間のチェスにおける脳パフォーマンスが、年齢ごとにどのように変化していくか明らかになったのです。
研究チームはこの脳パフォーマンスのピークを「認識のピーク(英: cognitive peak)」と呼んでいます。