水なしで長期間生きられる秘密とは?
コブの役割は主に食物の代わりとなるエネルギー源なので、水分補給には別の対策が必要です。
そのひとつに「体温調節」がありますが、ラクダは気温の高い日中に熱をため込んで体温を40度くらいまで高めます。
そして、気温がぐっと下がる夜間に蓄えた熱を放出します。
この仕組みのおかげで、できる限り汗を流さず水分を体内にとっておけます。
それからラクダは水分量の減少に強く、体重の3分の1の水分がなくなっても大丈夫。その間に見つけたオアシスなどの水源で、大量の水を体内にため込みます。
一度の摂取量はなんと100リットルを超えるそうです。
他にも、腎臓の働きで塩分の減少を抑えて熱中症を防いだり、乾燥した便を排泄することで水分を節約したり、鼻呼吸のたびに水分を取り込んだりと色々な対策をしています。
ですから、貯水タンクの役目はコブではなく体が請け負っているのです。
「コブに水が溜め込まれている」という都市伝説は、ラクダが水なしでも長期間平気なところから生まれたのでしょう。
しかしその裏には、水を節約しようとする涙ぐましい努力が隠されていたのです。