フクロウの目が”夜行性の霊長類”に似ている
鳥類の多くは昼行性ですが、フクロウは夜間でも狩りができる数少ない鳥類です。
フクロウの目は非常に大きく、筒型になって頭蓋骨に固定されているので、私たちの「眼球」のようにクルクル動かせません。そのため、首がよく回るようになっています。
研究チームは、フクロウの視力の特殊性を解明するため、20種の鳥類 (1羽のフクロウを含む)の遺伝子情報を調べました。
すると予想通り、フクロウの知覚分野で他の鳥類とは異なる遺伝的な変異が見られています。
特に、視覚に関する32の遺伝子に変化があり、これらはフクロウの網膜細胞内でより多くの光を捉えられるように配置されていたのです。
このDNAの特殊な配置が、一種のレンズや視力向上因子として機能している可能性があります。
研究チームは「こうした特徴は他の鳥類では見られず、夜行性の霊長類に近いもの」と指摘しました。
さらにフクロウの瞳には、光の強弱に応じた明暗を識別する「根幹細胞」が多く見られ、これも夜間視力を高める一因と見られます。