特殊な腸内細菌バランスはヒトにも放射線耐性を与える
腸内細菌による保護がヒトでも起きているか?
それを確かめるには、ヒトに放射線を浴びせるしか方法はありません。
そこでハオグオ氏は放射線治療を受けているがん患者に着目しました。
放射線治療はがん化した部分を放射線の集中照射で焼き殺す治療ですが、放射線が強く当たる付近では、正常な組織もダメージを受けてしまいます。
ハオグオ氏はこの副作用の現れやすさや現れにくさが、マウスの生存率のように、患者個人の腸内細菌に影響を受けている可能性があると考えたのです。
早速ハオグオ氏は患者の糞便を回収し腸内細菌を調べました。
結果、放射線治療の副作用の低いひとほど(耐性があるヒトほど)、マウスで発見された耐性付与菌が多く存在していることがわかりました。