ついに彗星で発見されたリン
フィンランドのトゥルク大学が主導した研究チームは、ロゼッタ探査機に搭載された二次イオン質量分析計(COSIMA)によって、彗星近くで収集された塵の粒子を分析しました。
この調査では地球からの制御によって、収集した塵を選別し、質量分析計で測定しています。
すると固体粒子中にリンイオン(P+)が検出されたのです。
この調査からは、リン酸塩鉱物(アパタイト鉱物)がリンの供給源ではないことが示されています。それは発見されたリンが、より還元され、おそらくより溶解性の高い形で発生していることを意味するといいます。
生命に必須の6つの元素「炭素、水素、窒素、酸素、リン、硫黄」が固体の彗星物質に見つかるのはこれが初めてです。
この発見は、まだ若かった地球にこれらの元素を彗星がもたらしたということを示すものです。
また、チームは今回の調査から彗星の塵の中に、CF+としてフッ化炭素のイオンも検出しました。このフッ化炭素イオンが彗星環境でどのような役割を果たしているかは現在まだ不明です。
研究者はついでに見つかったこの元素について奇妙な発見だと話しています。