ついに手のひらサイズになった遺伝子読み取り機の仕組み
DNAの解読技術はゲノムプロジェクトの開始された当時に比べ、驚異的な進歩を遂げました。
初期においては業務用冷蔵庫ほどのサイズだった遺伝子読み取り機は、21世紀にはいると家庭用の冷蔵庫サイズまで縮小。
さらにそこから電子レンジサイズまで小型化が加速度的に進み、ついに上の図のようなガラケーの携帯電話サイズにまで進化したのです。
この超小型遺伝子読み取り機には上の図のような「ナノポア」と呼ばれる帯電した微細な穴が複数埋め込まれています。
そして装置は、上の動画のように遺伝子(DNAやRNA)がこの帯電した穴の内部を通るときに生じる電流の変化を測定することで、塩基配列を読み取ることができる仕組みです。
ただナノポアを利用するタイプの超小型読み取り機から得られる生データは非常に複雑であり、ヒトの目に見える形の塩基配列に変換するには、スーパーコンピュータをはじめとする大型演算機が必要でした。
そのためいくら読み取り機が小型化しても、利用可能な人間は非常に限られていたのです。
超小型の遺伝子読み取り機(DNAシーケンサー)を開発しても、超大型の演算機(DNAアナライザー)の存在により、遺伝子読み取り技術はなかなか普及しませんでした。
しかし、ある一人の天才少年によって事態は大きく変化します。