探し物は3つの段階を経る複雑な過程
今回の研究により、物体(メガネや携帯)の探索が3段階に別れていることが明らかになりました。
最初の段階は地図細胞による目的地への誘導、目的地についてからは探し物細胞による方向と距離に基づくベクトル誘導が起こり、そして最後に発見した物体と記憶の照合が行われます。
この一連の流れにおいて、最初の2つ「地図細胞」と「探し物細胞」は探し物そのものとは独立した中性的な回路であり、目的とする探し物が金塊であっても空き缶であっても、置かれている場所が同じなら、同様の処理がなされます。
さらに興味深いことに、探し物が置き場所から取り去られても「探し物細胞」はしばらくの間、活性化したままでした。
これはあったはずのものがなくなるという違和感や喪失感の根源となる可能性があります。
探し物を取りに行くという一見してなんでもない行動が、こんなにも複雑な段階を踏んでいたとは驚きだと研究者たちは述べています。