水面から跳ね返る水滴は重力の20倍の力で引き戻されていると判明
CMなどで見かける水面に落ちる水滴は、上向きに跳ね上がる水柱を形成します。
この跳ね上がり現象は一時的に生じた「衝突クレーター」を埋めようとする力が、中心で衝突を起こし、上に向かうことで発生します。
しかし基本原理はわかっていても、詳細な過程は解明されていませんでした。
特に、跳ね上がった水柱の速度については、誰も正確な知識を持っていなかったのです。
そこでアムステルダム大学の研究者たちは、レーザー光とハイスピードカメラを使用して、跳ね上がりの過程を分析することにしました。
結果、非常に奇妙な事実が判明します。
これまで跳ね返りを起こした水柱が、再び落下する原因は重力だと考えられていました。
しかし観測の結果、水柱は伸びる過程(特に初期)において重力よりも5~20倍強い力で水面に引かれていることが示されたのです。
また水柱が限界高度に達した後も、重力の2倍の加速度で落下することが判明します。
この結果は、跳ね返りによって生じた水柱が、重力とは異なる力によって水面に引き戻されていることを示します。
その力とはいったい何によって生じていたのでしょうか。