発見された断片に書かれていたものとは?
死海文書が発見されたのは、ユダヤ砂漠にある崖を80メートルほど降りた、通称「恐怖の洞窟」と呼ばれる場所です。
この洞窟は、古代ローマ帝国に抵抗したユダヤ人反乱軍が身を隠していた場所とされます。
IAAは2017年10月から「古美術品の違法盗掘の防止を目的とした活動」の一環として、この地で調査を続けていました。
新たに発見された20ほどの断片は、旧約聖書にある「ゼカリヤ書」と「ナホム書」の一部と同定されています。
ゼカリヤとナホムはともにユダヤ人の預言者であり、断片からはゼカリヤ第8章16、17節の一部を含む11行のテキスト、ナホム第1章5、6節の詩が発見されました。
ほぼすべてがギリシャ語の翻訳版であり、神の名前だけがヘブライ語で記載されています。
また、断片の他にも、約6000年前のミイラ化した子どもの遺体や、約1万500年前の編みかごも発見されました。
編みかごについては世界最古と見られています。