フリーハンドでAR操作が実現された世界のイメージ動画
EMGでは、親指と人差し指をつまんだり、挟んだりする動作で、ボタンをタップするのと同じ様にARの情報を操作できます。
これは歩きながら、あるいは誰かと話しながらでも、ポケットに手を入れたまま操作を行うことを可能にします。
なんだか未来のスパイのようにも感じますが、こうした日常の負担にならない操作性、また公共でもプライバシーが確保できる利用方法は、AR技術に必要となる要件です。
動作の癖は、AIが学習し補正していくため、動作の信頼性も確保されます。
AIのサポートはまだ途上の技術ですが、今後これらの技術には当たり前に導入されるものになると研究者は想定しています。
また、離れた機器を仮想のUIによって制御できるようになり、まるでスター・ウォーズのフォースみたいだと研究者は語っています。
特に研究者は、長いこと進化のなかったキーボード入力が、飛躍的に改善される可能性を指摘しています。
ARとAIのサポート、そして神経入力インターフェースが合わさったキーボードは、これまでの根本的な問題を改善できます。
時間経過とともに、手に合わせたボタンの配置、タイプミスなどを学習して適応していくキーボードを想像してみれば、その便利さが実感できるでしょう。
実際、今回のモデルを利用したカスタムキーボードは大きく進歩を遂げていて、タイピング速度などの短縮に成功しているといいます。
また、リストバンドは操作の感触をユーザーに与えるために、振動をフィードバックします。
これは操作感の把握や、正しくアクションを実行したという確信のために重要となります。
これを利用すると、ARで弓を引き絞るという触覚さえ、再現することができるといいます。
最終的に研究チームが目指すのは、単なるARに対応したインタフェースというだけでなく、AIが利用者ごとの意図を学習・理解し、予測することで必要最低限の動作でさまざまな操作を可能とすることです。
こうしたデバイスが完全に実現されれば、SF映画マイノリティ・リポートで描かれたような世界が本当にやってくるでしょう。
新しい技術が登場したとき、もっとも人が戸惑うのは煩雑な操作方法の習熟です。
しかし、機械の側が人間に寄り添ってくれるようになる時代は近いかもしれません。
AIに思考を監視されるのはごめんですが、煩わしい操作が解消された世界は早く実現してもらいたいですね。