べき乗則は「自然界の法則」の穴を埋め、生物学の未来をつくる
新しく発見された法則「パワーカスケード」は、これまでに知られてきた「自然界の法則」の穴を埋めるものとなりました。
例えば、カタツムリの殻が「対数螺旋」の法則で形成されることは、数百年前から提唱されていました。
しかしエバンス氏は、対数螺旋だけではすべての形状を説明できないことに気づいていました。
ところが新しい研究では、この点もパワーカスケードによって説明できると判明したのです。
さらにエバンス氏は、「パワーカスケードを当てはめるなら、生物の歯や角、牙などの成長過程をシミュレートできる」と述べています。
シミュレートするなら、現在の形状になるために必要な成長時間を知ることができます。これは歯や角から動物の年齢測定が可能であることを示唆しています。
またパワーカスケードに沿ったものは、私たちの感覚にとっても「自然な形状」だと言えます。これは架空の生物を創り出す時にも役立つでしょう。
映画やゲームに登場する架空生物には「リアルさ」が求められます。
架空生物の角や爪、歯などをパワーカスケードに沿って創造するなら、私たちの感覚から「違和感」を排除できるかもしれません。
いずれにせよ、生物共通の新たなルールは、今後の調査や研究の基盤となっていくでしょう。