日本最大の川エビを捕食しているところを発見!
法政大学、東京都立大学の研究チームは、以前から沖縄諸島で噂になっていた本種の存在を確かめるべく、現地調査を開始。
その結果、久米島の渓流で、日本最大の川エビ「コンジンテナガエビ」を捕食しているオオムカデが発見されたのです。
ムカデは全長20センチ、幅2センチ(足は除く)に達する巨大さを誇り、日本および台湾では最大種とされます。
体色は美しいヒスイ色をしており、危険を察知すると、水中に逃げ込んで身を隠す習性がありました。
また、遺伝子解析からも既知の種と異なる新種であることが証明されており、沖縄本島、久米島、西表・石垣島、渡嘉敷島、それから台湾で分布が確認されています。
水陸両用ムカデは、2016年にラオス、ベトナム、タイで1種、2018年にフィリピンで1種が見つかっているのみで、今回が3例目です。
水中に飛び込む姿がギリシャ神話の女神アルキオーネを連想させることから、学名は「スコロペンドラ・アルキオーナ(Scolopendra alcyona)」と命名。
和名は、沖縄の故事にちなんで「リュウジンオオムカデ」となっています。
故事の内容は、海に住む龍神の耳にムカデが入り、ひどく苦しんだことで、龍神がムカデを恐れるようになった。
それ以後、琉球王朝では航海の安全を祈り、ムカデを模した側を掲げるようになったというもの。
実際、リュウジンオオムカデにも毒アゴがあるため、触るのは非常に危険です。
日本には現在、本種を含め5種のオオムカデが分布します。
一方で、新種の発見は1878年にドイツ人によって発見されて以来、実に143年ぶりの快挙です。
しかも、日本人によって発見されたのは初めてであり、チームは「多くの地元民の協力なしではあり得なかった」と述べています。
日本にも未知の生物がまだたくさん存在しそうです。