ワクチン接種後の母乳は抗体治療薬としての効果があるかもしれない
今回の研究により、ワクチン接種を受けた女性が作る母乳にウイルスと戦う抗体が含まれていることが明らかになりました。
また追加で行われた実験では、母乳サンプルの62%では母乳そのものが、試験管内部において、新型コロナウイルスの感染力を中和できることが示されました。
一方、パンデミックが起こる前に保存されていた母乳には、そのような感染力の中和作用はありませんでした。
この結果は、ワクチンの接種を受けた女性の母乳が、生体外においてもウイルスと戦う力があることを示します。
現在、抗体を用いた治療や予防は非常に高価であるため、受けられる人間は某元アメリカの大統領のように非常に限られています。
しかしワクチン接種を受けた女性の母乳にもウイルスを退ける効果があるならば、比較的多くの人々にウイルスと戦う抗体療法を提供することができるでしょう。
特に貧しい発展途上国など一部のワクチンの接種が難しい地域では、母乳は決定的な役割を果たす可能性があります。