核兵器を使っても衝突阻止は困難
惑星防衛会議で行われた演習の2日目、シミュレーションの時間は5月2日時点まで進められました。
この時点で、新しい衝突軌道計算が行われ、2021PDCはほぼ確実にヨーロッパ、または北アフリカに打撃を与えることが判明しました。
ここで演習に参加した科学者たちは、探査機を使った攻撃によって小惑星を破壊したり、小惑星の軌道をそらせる可能性があるかを検討しました。
結果、科学者たちは、現実に今回の2021PDC仮想シナリオが発生した場合、半年未満の期間でこの小惑星に対応する探査機(宇宙船)を打ち上げることは、現在の技術では不可能だと結論づけました。
そこで、参加者たちは次に核兵器を用いて小惑星の爆破・破壊ができないかを検討しました。
核兵器破壊ミッションを展開すれば、小惑星衝突による被害を大幅に減らすことが可能です。
しかし、今回想定されている35~700メートルのサイズ範囲を持つ小惑星を、核兵器で破壊できるかどうか不確かでした。
この時点で、人類が小惑星に対して打てる手立てはほぼ失われてしまいました。
演習の3日目は、6月30日まで時間が進められます。
この時点で、2021PDCは東ヨーロッパに向かっていることが明確になりました。
そして演習4日目、ついに小惑星衝突の1週間前まで時間が進められます。