ヒトに適応する際の問題点は?
一方、ヒトに腸呼吸を適用する場合、乗り越えるべき課題がいくつかあります。
最も大きな難点は、腸の粘膜をはがすことです。
特に重篤な患者においては、腸へのさらなるダメージが命取りになりかねません。
そこでチームは腸組織を薄くすることなく、酸素を吸収させる方法として、「ペルフルオロカーボン」の使用を検討しています。
これは毒性がなく、大量の酸素を溶かせるフッ素化合物の液体で、すでに重度の呼吸困難に陥った乳児の肺などで実用されています。
チームは、ペルフルオロカーボンを用いた浣腸式の治療法を開発するため、1~2年以内に臨床試験を計画しています。

その他の問題点は、腸環境がほかの臓器に比べて酸素が少ないことです。
腸内で共生する細菌やウイルスは低酸素状態に適応しており、酸素量が突然増えることで微生物が混乱し、体調を崩す恐れがあります。
また、腸と脳をつなぐ迷走神経を刺激する可能性もあり、そのせいで血圧の低下や失神といった副作用も懸念されます。
こうした様々な問題をクリアしないかぎり、腸呼吸の実用化は難しいでしょう。
























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