テレパシーする技術
人間は社会的な動物で、1人では解決できない問題も協力して解決することができます。
そのために重要なのが、互いのコミュニケーションです。
研究チームの興味は、それが脳だけを使ってできるのかということでした。
「ブレインネット(BrainNet)」と名付けられたシステムは、3人のグループが脳だけを介した共同作業によって、テトリスのようなゲームをプレイします。
このゲームは、テトリスのように画面上部にブロックが表示され、そのブロックがはまる行が下部に表示されます。
グループのうち2人は情報の送信者で、ゲームを直接操作することはできませんが、上の画像の右側に表示されているブロックと下部ラインの両方を見ることができます。
しかし、ゲームのプレイヤーとなる3人目の人物は、画像の左側の画面しか見えません。
つまりブロックしか見えておらず、それを下ろすべき下部ラインが見えていないのです。
プレイヤーは、他2人の送信者が画面を見て判断した、ブロックを回転させるべきという判断と、どの位置に下ろすべきという判断を脳の通信だけで受信して決定することになります。
ゲームはテトリス同様、下部のラインがそろえばクリアです。
実験は、こうした参加者グループを5つ用意し、16ラウンドのゲームをプレイしてもらいました。
各グループの参加者たちは、全員が別々の部屋にいて、直接見ることも話すこともできません。
彼らにできるのはブレインネットを介した、脳の通信だけです。