抑うつ症状に運動が効果的な理由の1つは乳酸だった
現在、世界の2億6400万人がうつ病に苦しめられており、その治療には抗うつ剤や心理療法が用いられます。
しかし、うつ病患者の約30%は抗うつ剤に反応しません。
また運動による抗うつ作用が長年にわたって知られてきましたが、科学者たちはそのメカニズムの解明に苦労しています。
こうした背景にあって、研究チームは運動中に生成される「乳酸」に注目してきました。
彼らの研究では、マウスに運動時と同程度の乳酸を投与し、実際に抗うつ作用を確認できたとのこと。
うつ病になると、以前楽しんでいた活動に対する興味や喜びが失われます。
これは「快感消失」と呼ばれる症状ですが、乳酸がこの快感消失を緩和させると判明したのです。
そして新しい研究では、乳酸の抗うつ作用のメカニズム解明に焦点が当てられました。